最近テレビやニュースでもよく耳にするインフレやデフレという言葉。
学校でも教わったことは覚えていても、実際インフレやデフレが起きると自分にどのような影響があるのか自信をもって説明できる人は少ないのではないでしょうか?
今回の記事では、経済のことを知るうえで基本中の基本でもある、インフレとデフレという言葉について誰にでもわかるように解説しています。
インフレ・デフレについてしっかりと理解を深めて、自身の資産形成を進めるうえで対策を立てられるように準備するために、ぜひ最後までチェックしてみてください。
1.インフレ、デフレって何
「インフレ(インフレーション)」とは、物価が上昇し続けて、実質のお金の価値が下がり続けること。インフレとは逆に、「デフレ(デフレーション)」とは、物価が下がり続けて、実質のお金の価値が上がり続ける現象のことを意味します。
2.インフレが起きるとどうなるの
インフレは、モノやサービスに対する需要が増加し、共有を上回ることで発生します。
皆ほしいものを手に入れるために、より高いお金を支払うようになるためモノの価格が上がります。
消費者は買い物を先延ばしにせず「安いうちに買おう」という心理になるため、消費が活発になります。
これにより企業の売り上げが増えるため、従業員の給料が上がるなど社会でお金が循環して景気が良くなります。
このようなメリットに対して、「お金の価値が下がる」というデメリットもあるのがインフレです。
お金の価値が下がるというのは、先に述べたようにモノの価格が上昇することにより相対的にお金の価値が下がることを意味します。
1000万円の家を買うために貯金をしているときに、インフレで家の価格が上がって1500万円になると1000万円の貯金では買えなくなってしまいます。このように自分の持つお金の金額は同じなのに、見据えていたものが買えなくなる。これがお金の「価値が下がる」ということなのです。
これはインフレリスクと呼ばれていて、特に現金や債券、固定金利の定期預金などはインフレリスクに弱く、インフレ時には損してしまう可能性も高いことをしっかり理解しておくことが大事です。
3.デフレが起きるとどうなるの
デフレはインフレとは逆にモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで発生します。
モノの価格が安くなる「デフレ」においては、消費者は「しばらく待てばもっと安くなるのではないか」「もう少しお金に余裕があるときに買おう」など、買い控えの心理が働き、モノが売れにくくなります。
企業についても、売上が上がらず「従業員への報酬を減らす」「設備投資を抑える」などの対策をとり、社会にお金が回らなくなり、景気が悪化してしまうのです。これをデフレスパイラルと呼びます。
また、物価が下がることでお金の価値が上がります。
これは、貯蓄をしている人にとってはラッキーですが、借金をしている人にとっては厳しい流れになります。
借りた当初より1円の価値が上がってしまうため、借りた金額以上の金額を返済するような感覚があるかもしれません。
このような物価の変動をできる限りおさえるために、中央銀行が「公開市場操作」などの金融政策を実施します。
物価の安定をはかり、適正に管理することが、中央銀行が金融政策を担ううえでの目的となります。
4.スタグフレーション
インフレ・デフレと合わせて覚えておきたい現象として「スタグフレーション」という社会現象があります。
スタグフレーションとは「不況下のインフレ」とも呼ばれ、景気が後退と同時に、インフレが進行してしまう現象です。
インフレで物価が上昇を続けているのに、景気は低迷してお金の価値が下がってしまうとても厳しい経済状況です。
2023年現在、物価は上昇している、円安で円の価値は低下している。今の状況もスタグフレーションに近い状況であると言えるのではないでしょうか。
なかな厳しい経済状況の中生きている我々ですがこんな状況だからこそ知識をつけて資産を増やしたいところです。
5.金融緩和
金融緩和は中央銀行(日本では日本銀行)が景気が悪化しているときに、景気の底上げのために行う金融政策です。
具体的な内容としては、国債などの金融資産を民間金融機関から買上げ(買いオペレーション)たり、政策金利(中央銀行が金融市場の調節手段として用いる金利)や預金準備率(中央銀行が金融機関に対して、準備預金として無利子で預けることを義務づける金額の比率)を 引下げることなどよって通貨供給量(市中に出まわっているお金の流通量)を増やし、市場金利水準を低めることで企業の資金調達を容易にし、活発な経済活動を喚起します。
また、国債などの金融資産を買上げることによって通貨供給量を増やす政策を特に量的緩和政策(量的緩和)といいます。
よくニュースでも耳にする異次元の金融緩和という言葉があるがこれは、日銀が大量の国債を市場から買い入れることを特徴としています。
これにより市場に大量の資金が供給され、企業や個人がその資金を利用して投資や消費を行いやすくなします。
金融市場に資金があふれることで、経済全体を活性化させるのが狙いということなのです。
また別の特徴として、政策金利をマイナスにするという前例のない施策があります。これにより銀行が日銀に預ける資金には利子が発生せず、むしろ減少します。
銀行が企業や個人への貸し出しに積極的になることが期待されます。
とはいえ長期的な低金利は金融機関の収益を圧迫しかねない上、大量の国債買い入れは将来的にインフレーション(物価上昇)を引き起こす可能性もあります。
10年にわたり行われてきた政策への評価も分かれており、むしろマイナスの影響を指摘する声も大きいのが現状です。
6.知識を蓄えて経済にもっと身近なものにしよう
今回の記事で解説した用語は、小中学校の社会の授業で習った方も多いかと思いますが、人に説明ができるほどしっかり理解して覚えていた人は多くないのではないでしょうか。
学生の頃はテストで出るから学ぶというだけだったかもしれませんが、社会人となった今こそ実生活で役に立つ知識であり、理解した上で自分の投資生活の方針を決められるのは非常に大事なことだと思います。
知識があれば経済ニュースなどを見ていても面白くなりますし、何よりも経済の動向が自分事としてとらえられるため、投資先の検討などにとても役に立ちます。
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